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まずボランティア側として、千葉さんとヘロンさんから、どんな活動をされているのか、また行政サイドに対する注文も、どういう効果をあげているかということも含めてお願いします。そのあと行政・自治体の側から横田さんにお話を願って、最後にその中間にいらっしゃる社会福祉協議会の佐藤さんにお話をうかがうという順序でいきたいと思います。それでは千葉さんからお願いします。
●ボランティア活動の成果と感想
千葉 まずボランティア活動を通じての現在の感想や成果を述べてみます。今、私がボランティア活動をして感じていることは、いろんな方に出会えだということが私にとっては大きな力になっています。最初は点であったものが、さまざまな出会いを重ねることで、次第に網目状に広がりネットワークができてきたということに、私としてはすごく大きな力を感じています。それから実践活動を継続することによって自治体にほんの少しだけものが言えるグループになってきたのではないかなということを感じております。もともと私は怠け者でしたから、この活動を通じて、必要に迫られて自分のやることがいっぱいできたということも1つの成果かなと思っています。今朝私が出てくる前に、仲間の方から朝早く栗ご飯を届けていただきまして、「今日頑張っておいでね」と言われてきました。きちんとやらなくてはいけないという思いから、プレッシャーがすごく強く、先程から声も震えて手も震えて、どうしたらいいかなあと悩んでおります。
それから感想としては、世の中はどうしても「今、私だけ、今さえ良ければ」という思いの人がすごく多いと感じますが、それではなかなか福祉社会の実現はできないのではないかと思います。相手を思いやったり、相手に気持ちのいい接し方をしたりということは、自分のなかに余裕がなければなかなかできませんので、そのへんを自分も含めて考えながら、互いに思いやり助け合う土壌をつくるためには、福祉だけに限らずに教育というものの大切さを痛感しております。
●ボランティアから自治体・社協に望むこと
ボランティアの立場から自治体・社協に望むことですが、自治体の計画や立案にボランティア団体が参加できるようなシステムを作ってほしいし、また私たちも参加できるような力ある団体でありたいと思っています。例えば会議や協議会や審議会です。福祉は住民がっくるものだと思いますから。やはり計画や立案に参加することによって初めて、社会的に、また自治体に認めてもらう第一歩になるのではないかというように思います。それから社協に対してですが、社協という立場は私達にとっては分かりづらいという部分がたくさんあります。見てますと、行政サイドに立っているなあということを強く感じます。本来の民間団体としての役割をぜひ見つめ直してほしいということを感じています。どういうことかと言いますと、住民の良し悪し、という利害関係の対立を調整しながら、住民の合意を得たうえで、住民総参加の福祉社会を作っていただきたいという思うからです。宮城県の場合は百人委員会というものがありますから、これからいい方向で自治体が考えてくれるということを期待しております。

 

 

 

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